スリランカ バティック 土産物から普遍的な芸術として |
その図柄はどこかで見たような似たものが多くなってきます。
先に紹介したように最近はオリジナリティのある図柄を描きたいという作家さんが増えて
きておりとても興味深い状況なのですが、国内マーケットは需要が限られなかなかその
発表の場を見いだせないでいる、という事情があるようです。
オリジナルブランドを立ち上げる意欲のある人も増えていますが、全ての人が
そのようなチャンスや資金があるわけでもありません。
ペラヘラ祭やキャンディアンダンスを題材にした図柄はそれこそ山のように
描かれてきたもので、民族の歴史を伝える上でもとても重要なものであり
大口の買い手である観光客も、そうしたスリランカ的な図柄を求めています。
オリジナルのデザインを、手をかけて1週間も2週間もかけて染め上げてやっと1枚完成しても
それが売れなければやはり生活が出来ません。
スリランカのバティックは国外にも広く認知されていますが、まだ優れた民芸品という領域を
越えてないと思います。こうあるべきという様式を一旦壊すチャレンジ精神と自由な発想が
制作する側にも、鑑賞する私たちにも必要なのではないでしょうか。
定型的なものを徹底して描いてきた腕前と、ユニークな感性が融合すれば非常に美しいものが
出てくるのではないかと思うのですが・・・