 YASMEENヤスミン それでもやはり『再生紙』なのだ |
私も印刷業に従事していましたので、あまり他人事とは思えない出来事でした。
事の顛末の本当のことはわかりませんが、大手製紙会社の偽装が発覚したとのことで
総平謝りとなっているとか。各メーカーに勤める幾人かの友人も、そろって自社の再生紙が
出荷停止になったと言っていました。（その紙はどうなるんでしょう？）
日本の紙の消費量は世界でも群を抜いており、その消費のうちの確か7割がたが東京で消費されるというのを、印刷の業者さんから伺った事があります。
東京に暮していれば、どんなに環境問題に心を砕いていてもそこにいるだけで加害者になって
いるかのような矛盾から逃れられない気がするのです。
スリランカに来てからまず、気づいたのはチラシなどの捨てる紙がほとんど無いことです。
スリランカは紙が高く、輸入紙が多勢であり 本も大事にされ物価に比べて高価なものが多いです。そのためかどうか、紙をぽいぽい捨てるといった習慣がなく、封筒もメモ帳も何度も使いまわしているのをよく見かけます。新聞紙もノートの紙も、使い終わるとお惣菜や街角で売られる豆のスナックの包み紙に再利用されています。
経済成長著しい国では、広告などの需要も比例して上がりますし、スリランカもやはりそうなのですが、ごみになるために作られる紙というのはまださほど登場していないのです。
今 日本でさんざん叩かれている再生紙ですが、スリランカでは再生紙を作る業者が増えています。日本のように大規模なレベルで作られるものでなく、象のふん（日本のメーカーのゾウさんペーパーとして有名）やバナナの茎、花や植物の茎の捨てる部分などを利用して、今どき手漉きで作られているものがほとんどです。個人業者のように小さいところから中小企業まで様々ですが、ほとんどローカルマーケットに向けて作られているというのが特徴です。
使い方がさりげないのと「再生紙を使用しています」という表記もないのでなかなか気付かないものもあるのですが、素朴でかわいいものから、大手紅茶メーカーに採用されるほどクオリティの高いものまで色々あります。
葉がそのまま浮かび上がっている厚手の紙。名刺用に10面付け印刷ができる
葉の浮かんだ表紙を使用したゲストブック。中身は全て色違いの紙。
３月下旬からオンラインショップで販売。
今 ヤスミンの会社のレターヘッドを、バナナペーパーで作ろうと思っているのです。
バナナの茎の割合が多ければ多いほど印刷には適しなくなりますが、植物の混じったオフホワイトの紙は、いつかそのうちスピカボンドやコンケラー社の紙よりもかっこいい！
という日が来るはず、とひそかに見ています。
ステーショナリーも充実。印刷機との相性の点で解決しなければいけない問題もある。
スリランカは大量消費の行きつく先のアンチテーゼとしてでなく、その勢いのある経済成長の途上でごく自然に、穏やかにリサイクルペーパーが受け入れられました。
「使って使ってどんどん買え！」という具合には結局ならなかったのです。
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