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YASMEEN ヤスミン 店長日誌::スリランカ キトゥル作りの村と夜の森

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スリランカ キトゥル作りの村と夜の森
先週の日曜にキトゥル・ハニーを作りに、スリランカの中央高地のコトゥマーレに行って来たときのことです。

コロンボから片道5時間の距離を日帰りでという強行軍だったので、朝の7時に車で出発し寝たりない分を車内で取り返しました。コトゥマーレまでの道のりは高地に登っていくため、うねうねと曲がる山道で決して寝心地はよろしくなかったのですが、連日のシステム入れ替えの準備のせいで前日もほとんど寝ていなかったせいか、なんと目覚めたらコトゥマーレ、それも同乗していた社長に「起きて」と言われて目が覚めました。

キトゥル作りの村の入り口の道路は、以前来た時と変わっていて舗装工事中でした。聞くところによると、キトゥルハニー作りを推進してきたITIの更に上の政府のお偉方が夏に式典の為にお出ましになるとかで、その準備をしているのでしょう。地元の人々のためでなく大臣のために道路をきれいに作るというのがスリランカ的ではあります。

私たちが村に着いたのは昼過ぎでしたが、予定では既にキトゥルの蜜を煮詰めており、最後の工程に移っていたはずなのですが、社長が一人工場の中に入って行くと、出てきたときには顔が険しくなっていたので聞かずとも大体の状況は掴めました。
キトゥルの花の蜜は、採ったものを出来るだけ早く煮詰めることが大事であり翌日には持ち越せません。そのため、その日は朝、大量のキトゥルの蜜を採取しておいてもらい、すぐ煮詰めておいてと、社長は指示を出していたようですが、私たちが工場に入っていくと火にかけられた鍋の中の蜜は、まだ採ったばかりのような澄んだ色をしていました。
工場の中は、キトゥルの新鮮な蜜を煮詰める時に出る独特な甘い香りが充満しています。


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まだ採れたてのような、煮詰め始めたばかりのキトゥルの蜜。ここから7時間煮詰める。

「帰るのは深夜になる」と社長は難しい顔をしていました。キトゥルの蜜はガスの火で煮詰めると、出来上がるまでに約7時間かかります。村の家々では薪で作っているので、薪なら更にもっと時間がかかるんだろうと社長に聞いたところ、薪のほうが早く出来上がるのだそうです。薪と言っても細い木の枝のようなものではなく、人の腿くらいの木々をぼんぼん燃やすので、すごい火力なのだとか。1~2時間で出来上がってしまうと聞いて驚きました。
出来ていないものは出来ていないので、ひたすら煮詰める以外仕方がないというのが本当のところですが、社長は几帳面で、時間が守られないのをとても嫌う人なので不機嫌です。個人が責任をとらない面があるので、スリランカでのビジネスはだから困難なのだろうと、こういうことが起こるたびに思います。

道中、軽食以外摂っていなかった私たちはお腹が空いていたため、工場で働いている主婦の人たちがお昼ごはんを出してくれました。ダールカレー(豆のカレー)とふかふかのトーストしていない厚手の食パンが非常に美味しく、カレーに漬けて食パンを5枚くらいペロリと完食。お米の国なのに食パンをよく見かけるし、これが結構美味しいのです。

キトゥルを煮詰めている間に出来ることは、火力を見ながら混ぜるしかなく、蜜の色が飴色になってこないうちは他にやることがありません。折角コトゥマーレまで来たのに工場の周りでぼんやりしているのももったいないと思い、すぐ近くにある機織りの工場を見学させてもらいました。以前もここには入ったことがあるのですが、今日はお休みの日で機織り機には布が掛けられていました。
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インドから輸入された綿の糸を染めたもの。その日は日曜でお休みでした。

ここは民営ではなく政府の機関がマネジメントをしている工場で、インドから綿を輸入し、化学薬品を一切使用しないやりかたで主にベッドシーツなどの寝具の生地を織っています。糸のセットの仕方が大変細かく複雑で、1枚の布を織るのにかかる労力を考えると頭が下がる思いです。
パリッとした工場製品のシーツと違い、ここの手織りのベッドシーツは肌触りが滑らかでコットンの優しさがとても気持ちがいいので 以前買って気に入り、薬品臭さがないことも安心できます。前に買ったのとは色違いを購入。社長もご友人に数枚買っていました。

コロンボと違い、空気が湿気で重たくないので外に居て気持ちがいい。木陰に入るととても涼しいので、待っている間 またも車の中で寝てしまいました。我ながらよく寝るのでお陰で社長に「猫部さん」(私の苗字は岡部)と言われる始末。
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村はいつ来ても同じ顔触れで 店先に座って話をしながらのんびりしていたり、誰も忙しそうにしていないようです。私たちが時間厳守とか言ったり急ぐように言っても、きっとここの人々には そちらのほうがおかしなことに思われるんじゃないでしょうか。
数年前にインドとアラブ諸国を旅行中に時間の感覚を無くし 「忙しい」と言って時計を見るなんて精神が病気だ と本気で思っていましたが、仕事に忙殺されて慌ただしくしてる今、不幸にもその頃の感覚を失いつつあるようです。

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蜜を7時間ほど煮詰めて、ようやくキトゥル・ハニーの色に。花の蜜の量は8分の1にまで減少する。

夕方になってようやく蜜を煮詰める最終工程に入り、煮沸した瓶に充填を済ますと終わるころには20時近くになっていました。外は真っ暗やみで、標高が高いので日中と違いとても寒く、まばらに見える人影は皆カーディガンのようなものを羽織っていました。お手洗いを借りに民家まで行く間、工場で手伝ってくれていたおばさんが手を引いてくれました。手をつながれてちょっと気恥ずかしかったですが、手を引いてもらわないと自分の足元も見えないほどの濃い闇で、おばさんは慣れたものですいすい歩いて行きます。お手洗いは家の外にあって、その作りが私の田舎の徳島の家を思わせました。徳島の家のほうは更に外に薪で焚く五右衛門風呂があったのですが。
家の外はトトロの居そうな森で、奥が見えないほど真っ暗闇。キトゥル椰子は独特な枝葉が垂れ下がったシルエットをしているので、夜に見たら怖かろうと思いました。光る小さい筋が舞っていたのでホタルがいるようです。

工場にまた手を引いてもらって戻ると、社長がキトゥル・ラーというキトゥルの花の蜜を発酵させて作るお酒を貰っていて、ペットボトルの水を全部捨てて嬉しそうにその中にお酒を詰めてもらっていました。キトゥル・ラーは白濁した色のお酒で、度数はだいたい6度くらいとか。キトゥル・ハニーもピックアップし、工場の皆にお礼を言うと帰路につきました。
ここに来るたびにお土産に頂くキトゥル・ラーですが、私には濃厚で少ししか飲めません。香りはフルーティー、飲み口は少し酸味がある感じですが後から効いてくる気がします。滅多に手に入らないお酒だというので大事に飲むべきですが、社長は車内で瞬く間に1リットルのペットボトルを半分くらいあけておりました。
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これがキトゥル・ラー。キトゥルの花の蜜から作る地元のお酒で、都会では滅多に手に入りません。

325.jpg 作業は夜まで続きました。

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