仏教徒の大事な行いとして、日本語で言うと「功徳を積む」ことがあります。
善いことを重ねていけば、人は天国のほうに向かうし、悪いことを重ねれば地獄に向かうという教えがあります。
善いことをやると、もらえるものがあり それをシンハラ語でピン、と言い 悪いことをやるとパウというものが貯まっていくという考えです。ピンをもらうには、貧しい人に食べ物をあげたり、お坊さんの説法を聞いたり、お寺にお参りしたり 等々。そして、このピンというのは「転送」することも出来るらしく、もらった人が亡くなってあの世にいる身内などに転送したりもします。するとピンをもらった魂は上の階層に上がれるようです。
写真は そのピンを受取り、転送する行事を写したものです。
うちの社長のご自宅で、とある日曜日 お坊さんを招いて この大事な行事が行われました。何のときに行うかは特に決まっておらず、誕生日や節目の時期など 様々な時にこうしたピンをもらう行事を行います。
ご近所の人も集まり、持ち寄った料理を用意してお坊さんに振舞います。
まず行事の最初は、何がなくとも御本尊のブッダに捧げる祈りで始まります。
お坊さんはブッダの教え(ダルマ)を説くエージェントであり、橙色の袈裟(シウラ)を掛けたときから「個人」ではなくエージェントとしての「存在」になります。
好きも嫌いも、欲も持ってはならず、本来お金も使ってはならず、人に貰ったものだけを味云々思わず食べて、森の中で修行するのが僧のあるべき姿といいます。
最近のお坊さんの評判はスリランカの人にも芳しくないようですが、先にもあったように僧というのは「存在」で個人崇拝ではないので そのお坊さん自体のことはあまり関係がないのです。
ほんの子供のうちから出家する子も。家の貧しさから出家せざるを得ない子もいるらしく、途中で辞める人や、そのまま続ける人も。

子供の頃からこうしてお手伝いして、行事のやり方を覚えます。偉いですね。
お祈り、説法、食事を振舞うこと、と進行し だいたい2時間以上かけて行事は終わります。
私は通信簿に「注意力散漫」と書かれたクチなので、雑念を払えるか自信ないですが
最初のブッダへの祈りのお経を聴くと、一気に異世界にひっぱられる気がして すごい威力を感じました。

いつも読んでくださる皆さんありがとう!