母猫の帰還と仔猫の急成長 そして・・ |
母猫が戻ってこないかもしれないという考えが頭をよぎると、血の気が引く思いがしました。
なにしろ子猫はまだ母猫のおっぱいしか飲まないし、スリランカには仔猫用ミルクなんていう
贅沢なものはなさそう・・・・
夜中の0時近くに、昼から何も食べていない子猫に何を与えるべきかと情けなくもうろたえて
とりあえず水分を摂らないといけないと思い、水に紅茶に入れるスキムミルクとココナッツパウダーを少々入れたものを良く溶いて指で舐めさせようとしたけれど、まったく口にせず。
なるべくカロリーを消費させないほうがいいので動かさなかったけれど、仔猫のほうでも
じっとしてずっと眠っていました。
昼から夜中まで絶食なんて人間でもしんどい。水分を摂ってないのは相当いけないはずですが、水も何も口にしてくれないので、とりあえず部屋の湿度をもっと高くしようと思い、
鍋にお湯を沸かして部屋に2箇所置きました。
「明日朝9時にスーパーが開くからすぐ行って何かミルクの代替えになるもの買ってこよう」
と決めて、仔猫の傍に張り付いて、今夜は徹夜だと覚悟していると、部屋の入口にひょっこり母猫が姿を現したではないですか。
「あ!!」っと大きな声を出して私が立ち上がったので向こうは驚いてひるんだけれど、すぐ私の横をすり抜けて、仔猫の所に走り子供を抱えるようにした時に、今まで全く鳴きもせずじっとしていた子猫がミィ!と強く鳴いてお母さんのおっぱいに飛びつきました。
母猫は長いこと仔猫の体を舐めてやっていて、その様子を見ていたら、さっきまでの母ネコへの憤りはすっかり消えて どっと安堵感が押し寄せて来ました。時計を見ると夜中の3時。
かれこれ15時間の不在でした。
母猫の首の後ろの毛には何かに噛まれたような跡があり、2ヶ月後の出産を予感させます。
翌日、朝から子猫が突然に巣箱をうろうろして、あちこち引っ掻いたりにおいを嗅いだりして行動が活発になっているのでちょっとびっくり。母親もじっと見ていましたが、子猫が急に変化したのです。よく歩き回り、巣箱の棚から自力で出ようとさえしています。いままでおとなしくよたよた歩くか、母親のおっぱいを飲んでるだけだった子猫がいきなり変わったのは、母親に長いこと放って置かれたせいでしょうか?何か殻を破った感じ。
子供はその後も毎日みるみる成長し、「好奇心」が芽生えて母猫とついに一緒に巣箱から出て他の部屋をうろつくようになりました。サンダルを噛んだり段ボールを引っ掻いたりして遊んでいて、とても可愛らしい。でもなぜかあまりはしゃいでいると、母猫が首をくわえて巣箱に戻してしまうのです。
母ネコ失踪から3日後くらいに、ついにミルク以外の鶏肉を母猫と一緒に、一生懸命になって食べ始め、まだ歯が生えそろってないのか、何度も何度も噛んでから飲み込んでいました。やっと食べ始めた、となんだか一段落ついた、そんな気持ちでした。
がつがつ食べてます
耳が大きくなり、顔も猫らしくなって足もしっかりしてきました。すると母猫は突然子供に噛みついたり威嚇して猫パンチを浴びせるようになり、あまり今までのようにベタベタしなくなりました。一緒に寝てはいたけれども。子供の成長に伴い本能で、母猫は子供を遠ざけようとするのだなあとわかっているのだけど、なんだか切ない。
子供も時々少し離れたところから、母親を見つめるようになってきました